?B ECの推進
ECとして確立した定義があるわけではないが、現在のところ、ECは、「様々なコンピュータネットワークを用いて、設計・開発、広告、商取引、決裁等あらゆる経済活動を支えるシステムであり、EDIやCALSをも含む最も広い範囲の情報システム、またはそれにより実現される社会」と理解されている(図2−3−12)。
通商産業省では、ECの推進に関し、平成7年度第一次補正予算で100億円、第二次補正で217.5億円、計317.5億円の予算を確保し、これをもとに平成9年度末までにECの技術的、制度的課題の解決を目指して様々な実証実験を実施している。
第一次補正予算では、企業−消費者間EC推進事業としてECの共通基盤(プラットフォーム)の構築に向けた技術開発と相互運用性の確保等を実現するための実証実験を狙いとするもで、19の企業コンソーシアム等によりプロジェクトが推進されている。ここでの主要な開発対象技術は、複数の情報提供者による異なった形態の情報を統合して、相互の情報交換を可能にする技術的インフラの確立、複合情報暗号化・複合化技術、プロトコル技術やクレジット機能等多機能IC活用自動決裁システムに関する技術等である。
また、第二次補正予算では、様々な業界内および複数業界間における情報化の推進、企業間の電子商取引に共通な電子情報技術の開発を目的として20の産業分野で、26のプロジェクトが推進中である。その内訳は、
・CALS実証実験(10)
企業連携の手段として、設計情報・技術ドキュメント等の情報共有を実現し、共同設計・開発、保守、運用の効率化を図る。
・EDI高度化プロジェクト(7)
インターネット上でのEDIや画像情報を取り込んだマルチメディアEDIなど、高度なEDIに業界全体で取り組むプロジェクト。
・共通基盤技術関連プロジェクト(4)
電子公証システム等企業間の電子商取引の共通基盤技術の開発を行うプロジェクト。
・高度商品データベース構築・検索技術プロジェクト(5)
商品属性の標準化とそれを踏まえたデータベースの構築、分散環境での高度検索技術のためのプロジェクト。
こうした中で、企業間取引においては企業の信用状態をどう認知するかの問題があ
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